わたしはべつに銀行へいけときょうせいしているんじゃありませんよ。ただあなたが行きたがっていると思っただけです。だからあなたが出かけやすいように、また銀行に着いてもできるだけめだたぬようにするため、わたしはこの三人の方、あなたのご同僚をわざわざお連れしているのです。
※目立たない/unauffallig→unaufhorlich/無限の、永遠の
同僚/Kollegen→Kollekte/教会
お連れする/Verfugung gehalten→verforgung/迫害
gehalten→halten/つかんでいる、おさえる、守る、止める、もつ
《わたしはべつに自由になれと強制しているのではない、ただあなたが望んでいると思っただけです。だからあなたが行きやすいように、自由をできるだけ永遠のものにするため、この三人の教会関係者は、あなたを迫害したんでしょう。
(つまり、この三人のために、迫害され、不自由である)
※ここは非常にわかり難い、しかしカフカは『自由と拘束とは本質的な意味で同一である』(八つ折り判ノートより)と言っている。
これらのおよそ日個性的な貧血症の若者たちは、彼には依然としてビュルストナーの写真のそばのグループとしか記憶になかったが、これらはたしかに彼の銀行の行員だったので。同僚ではなかった。
※非個性的な/uncharakteristischen
非個性的な/unpersonisch/非人間的な
貧血症/blutarmen/貧乏→armen/アーメン(キリスト教の祈りの結び言葉)
写真/Photographien→Poto→foto、Foto、fotal/胎児の
《これらのおよそ非人間的な切りす地経関係の若者たちは、彼には依然としてビュルストナー(聖母マリア)の胎児(キリスト)のそばのグループとしか記憶になかったが、これ等は確かに彼の銀行の行員だったのだ、同僚ではなかった。
同僚とはいかになんでも言いすぎでそれが監督官の全知全能にも欠陥があることを証明していたが、なるほどたしかに銀行の下っ端の行員であった。
※欠陥/Lucke→Luge/嘘、作り事
《同僚とはいかになんでも言いすぎで、それが監督官の全知全能にも嘘があることを証明していたが成程確かに銀行の下っ端であった。ではなぜ同僚と書いたのか? 同僚/KollegenにはKoullekte/教会という単語が見え隠れするからだと思う。
しゃちこばった、諒てをぶらぶらさせているラーベンシュタイナーにも、くぼんだ目のクリッヒにも、慢性緊張症のためいやらしいうす笑いをうかべているカミナーにも気づかなかったとは。
※しゃちょこばった/steifen→stehen/存続している
ぶらぶらさせている/schwingenden→schweben/宙に浮いている
《長きにわたって存続していて宙に浮いている何処にいるとも分からないラーベンシュタイナーは「天のお父様」くぼんだ目(死んだと意味が潜在する)のクリッヒは想像しやすい。
慢性緊張症のためいやらしいうす笑いを浮かべているカミナー、というのは精霊様、というのは「聖母マリア」の中にお入りになったということを考え合わせれば、(薄笑い)が(微笑み)と同じ意味であることに気づく。
かちっと上体を祈る者たちに手をさし出した。
※かちっと/Korrekt→Kollekte/教会
要するに教会関係者という暗示である。