「とくに今日のようなことにはね。」

「なぜとくに今日のがそうじゃないんです?」「事の全体を冗談とみなしている、とぼくは言おうとしてるんじゃない、冗談にしちゃ、仕組まれた道具だてが大仕掛けすぎますからね。この下宿の住人全部がそれにくわわっているんでしょうし、それにあなた方全員がそうだとなると、これはもう冗談毎の限度をこえている。だからぼくは冗談だと言うつもりはないんです。」

※冗談/Spass→Speis/食物

 下宿/カフカの言葉に「地球は夜の宿屋のようなもの」とある。

 この冗談には、この下宿の住人全部が加わっている、つまりこの冗談というのは《食》のこと(月蝕)

 

「まさに仰せのとおりですな」と監督官は言って、マッチ箱が何本あるか調べていた。

 寿命がどのくらいあるか調べていた、ということ。

 

「一方ではしかし」とKはつづけて、ここでみんなのほうに顔を向け、できれば写真のそばの三人さえこっちに振り向かせたかった。

※つまりこの三人はKの方を見ていない。このさんにんはみんなの中の一人と同一人物である。

 

「一方ではしかしこの事件がそう重要なものであるはずがない、と思っています。ぼくがそれで告発されぬかもしれにような罪が、これっぽっちでも見つけられぬからです。しかしそんなことも実はどうでもいいことで、重要な問題はこれだ。ぼくは誰によって告発されているのか?どういう裁判所が審理をおこなうのか?」

※告発する(被告)/angeklagt→ungeklart/不明瞭の、決着していない

 告発する/anklagen→unklar/不明瞭の、疑わしい

 裁判所(役所)/Beforde→befordrer/保護者、奨励者

この文章はその通りの意味だけど、告発という発音の中にそれとなく(不明瞭決着していない、疑わしい)といった言葉があたかも紛れ込んで告発しているような感がる。そして

「ぼくは誰によって告発されているのか?どういう保護者が手続きをするのか?」と。