部屋の一隅には三人の若い男たちが立っていて、壁に掛けたマットの一つにとめてあるフロライン・ビュルストナーの写真群を眺めてゐr汰。

※一隅/Eckeっ→Drei Eck/三角形

 三人、角/Eck→Drei Eck/三角形

 写真/photograhien→Photo/光→Fata/運命、宿命

 

《ビュルストナー》

朝は非常に早く勤めに出かけ夜はおそく帰宅するので、Kとはまだ挨拶意外のことばを交わしたことはなかった。

※ビュルストナーは「おとめ座」、朝早く出かけるのは陽が出れば消え、この季節(春)はドイツでは夜遅く(十一時半ごろ)昇ってくるらしい。

 挨拶というのは〈gewechselt〉か、〈Wechesel〉は交替、循環、交換などの意であり、太陽と入れ替わりくらいに考えていいかもしれない。

 

 白いブラウス/「おとめ座」のスピカは白色

 タイピスト/Schreib machinistin→Schraube/ネジ、螺旋、釘

「スピカ」の意味は先のとがったものという意味

 

 写真群というのは運命というよりただ単に光を見ていたのかもしれない

 写真/photographien→Photo/光

 

《大男》

 とんがりひげの大男は『太陽』

 胸をはだけたシャツ姿/Brust offen Hemd→Brust Brust→Blut/種族、血統、素性

 offenen/自由

 Hemd/故郷、精神

《故郷、精神から解放された、つまりそういうことに無関係な、という意味だと思う。

 

「ヨーゼフ・Kだね?」と監察官がきいたのは、おそらくただKの散漫な視線を自分にひきつけんがためだったようであった。

※この二人も同一人物、K自身の三位一体なっる人物(?)・・・確かにこの監察官は『父・母・子(K)」なのである。

 

 

「今朝のいろいろな出来事で非常におどろいたでしゅな?」と監察官はきいてそう言いながら、マッチだの、本だの針箱だの、審理にぜひいる品物ののような顔をしてナイトテーブルの上にのっていたものを、両手でわきへおしやった。

※今朝の出来事とは「死」なのだから、これ以上の驚きはない。

 マッチは年齢?ろうそくは生命の象徴、本はこの場合聖書ではなく人生のあるいは代々の記録、針箱は「おとめ座」のスピカ、つまり母の象徴。

 

審理にぜひいるような顔をしてナイトテーブルの上にのっていたものを、両手でわきへおしやった。

※ぜひいるものなら、手元に引き寄せるのが当然、なぜ脇へ押しやったのか、しかも両手で。片手でも事足りるような事物である、諒てということは「強調」

 この文章を整理すると審理に必要と思える事物をわきにどけた。つまり監督官の本音は「審理」にかけたくないのではないか?

「審理=ほんとうの死」なのだから。