いずれにしろこれでも、一口大きくかじって確かめたところでは、監視人どものお情けで手に入れられたかもしれぬ汚らしい深夜喫茶の朝食なんぞより、はるかに結構だった。

※一口大きく・・・Bissenは少量という意味である。

 大きいが少しと意味を一つにしている、人間の尺度を超えた量(面積)か。

 確かめる/versicherte→versuchen/試み、企て、試食する

 汚らしい/schmutzigen→schmalzig/脂ぎった

 リンゴ/apfrl→Opfel/捧げもの

 天地創造説以前の「リンゴ」の方が、監視人(天のお父さま、主)が好んで捧げものに指定したもの。

 そのすべての脂肪を捧げなければならない。すなわち脂、内臓をおおう脂肪、二つの腎臓とその上の腰のあたりにある脂肪・・・。(レビ記、第7章)

 このレビ記を読むと主はしきりに脂を希望している。カフカはこの事を言ったもかも知れない。

 深夜喫茶の朝食/喫茶→kafe、Kaff(比)ばか話

《いずれにしろこれでも、天地創造以前の何の伝説にも染められていないリンゴのほうが、監視人どものお情けで手にいれれれたかもしれなう脂ぎった馬鹿話なんぞよりはるかに結構だった。》

 

いまごろたぶんまたぞろ向かいの窓にむけ更新中の、あのおむこうの二人の老人でもよかった。

※行進中/Marsh→Masse/大衆、集団

 二人の老人というのは男と女という性別でありKの祖先であれば実のところおびただしい集団、人々だったと思う。

 (向かいの窓)というのはあの世とこの世の転換点。

 

銀行のほうはむろん今日の午前中は休むことになるのだがこれも彼が占めている比較的高い地位からすれば、言いわけをするのは簡単だった。言いわけには本当の理由を言うべきだろうか?

※銀行/Bank→冥土、あちらの世界(死)

 Blanke/空地、光沢のあること、blank輝いている、真白な、裸の

 銀行とは、冥土。カフカの設定した瓶河野銀行たるゆえんはBlankeまたはblankを想定。

 在るけれども無い、無いけれども在る、という実態、人は死んで光(自ら発光する、たとえば太陽)

 druben、dort/来世で

 午前中/vormittag→vormalig/以前の

 休む/versamte→verschamt/恥じた

 比較的/vetheltnismassig→Verhanging/悲運

 地位/Stellung→still/秘密の、無言の

 言いわけ/entschuldigt→Entscheidung/決心

 

以前は恥じたが、秘密(無言の)悲運についてちょっとした決心をした。その償いは本当になすべきだろうか?

 本当の理由「死」

 そうしようと彼は思った、言うことが信じてもらえないときは

※言う/gedachte、これは普通の「言う」ではない。述べる(遺言などで)とあり「死」を意識した言葉である。