Kはその気もないのにフランツと視線の対話をするはめにまきこまれてしまった。

※ここはKが自分と対面するシーンである。自分が自分をお互いに見つめるのである。しいて言えば、自分の根源(ルーツ)。

 もう少しいえば自分の民族の苦しみの根源である。

「われわれは毎日十時間あんたを見張って、その分の手当てを貰いさえすれば、それ以外あんたの事件となんの関わりもないんだ。」

(人は死により太陽(光)になる(ゆえに十時間くらい地球(K)を見張る(照らす)

 

「法律にもあるとおり、いわば罪にひきつけられてわれわれ監視人を派遣せずにいられなくなるんだ。そのどこに誤りがあるというんだね?」

※法律/Gesetz→Geschichte/出来事、事件、歴史、物語

 罪/Schuld・負債、責任、罪

 監視人/Wachter→Vater

 

「物語にもあるとおり、いわば責任上われわれの父なるもの(根源的な父)を派遣せずにいられなくなるんだ、親が子供を迎えに来る、そのどこがちがっているというんだね?(これこそりの当然というもんだよ)

《彼はなんとかして監視人たち(父なるもの)の回想(ユダの件)のなかにしのびこみ、それを自分の文芸(作品)に仕向けるか(まで高めるか)、あるいはその(苦痛)を和らげようとした。》

 

「見ろよ、ヴィレム、この日とは法律を知らないと認めておきながら、そのくせ自分は無罪だと言い張っているんだぜ。」

《「見ろよ、ヴィレム、この人は物語(ユダの件)を知らないと認めておきながら、そのくせ自分は無罪だと言い張っているんだぜ。》

※下っぱの機関/niedrigsten、orgne→Nachste,Organe/最も近い仲介者

《こんな下っぱの機関というのは〈最も近い仲介者〉、つまり、父なるものたちではないか》

 

馬鹿だからこそあんなに確信ありげのふるまっていられるんだろう。

※馬鹿/Dummheit→Dunkelheit/暗黒、不分明、秘密、人に知られていない

 確信/Sicherheit/心配しない、安心

《秘密(人に知られていない、だからこそあんなに心配しないでふるまっていられるんだろう》