が、彼女の姿は一瞬見えただけだった、というのは彼女はKを認めたとたん明らかに狼狽して、許しを乞い、姿を消し、おそろしく慎重にドアをしめてしまったからだ。
※彼女は「母なるもの」である。母が子をあの世に送らねばならない気持ちそのものである。
二度と開かぬドアを未練げに見つめて、
※あの世とこの世の境界のドア、二度と開かないのならKは二タブグルーバッハ夫人にあえないはずだけど、Kは再び下宿に戻る。
《まさに彼が捜している身分証明書だけは、興奮しているせいかすぐには見つけ出すことは出来なかった》
しかし過ぎの光景では「ここに僕の身分証明書があるぞ。」とKはフランツに向かって言う。
※この間にはグルーバッハ夫人が見えたこと、彼の朝飯をぱくつく二人の監視人との会話しかないその監視人三むかって「ここに僕の身分証明書がある」と言い放つ。ということは、見つからなかった身分証明書はグルーバッハ夫人との絡みに関係があるのかもしれない。
が、彼女の姿は一瞬見えただけだった、というのは彼女はKを認めたとたん明らかに狼狽して許しを乞い、姿を消し、おそろしく慎重にドアを閉めてしまったからだ。(この文章のなかに身分証明書がみつかる鍵が潜んでいるのである)
身分証明書/Legitimationspapier
hier liegt A(A、ここに眠る、墓碑銘、このleigtは(眠る→死)
身分証明書というのは死亡診断書か。
「あなたを死なせてしまってごめんなさい」歎き悲しみ狼狽するおそろしく慎重にドアを閉めたに違いない(二度と開かぬドア)
かれらは窓ぎわに小卓に向かって坐っていて、彼の朝飯をぱくついているところだった。
※窓/Fenster→Finsternis《天》食。
ぱくつく/verzerten/食いつくす
「食」の暗示だと思う。
バタパン/Butterbrot→Bubuttlbrot→施しのパン壺/fass→hass
《施しのパンを憎しみに浸した、くらいの意。こちらはただ監視人とあり、フランツ(ユダ)の方か。