子の傘の紫陽花よりも小さくて

 

 遠近法である。

 自分に向かってくる子、向かい風なのか顔は見えず傘だけがこちらに向いている。

 見ると近くには紫陽花の花が咲いているが、その紫陽花よりもまだ小さく見える傘。

 近づいてくる距離感、待っている我の眼差し。この距離間の動きが目に見えるようである。

 あるいは見送る我の眼差し、追い風で見える後姿の傘、さらに子の傘の紫陽花との距離が開いていく・・・。

 

 距離には二乗の収縮が秘められている。