旅行服に似ていろんなひだやポケット、留め金、ボタンにベルトまで付いているので、何の役に立つのかは分からなかったがしごく実用的に見えた。

※ひだ/Falten→fallen/(光が)射す

 ポケット/Taschen→Tausch/交換

 留め金/Schnallen→schnapp/食いつくすこと

 ベルト/Gurtel→(処女と関係する)

《この物語は「食」が隠れた副テーマ、聖女マリアの処女解体の論議は太陽・月・地球の引き起こす「食」の寓話によって是非を証明するものである。

 

 男はしかし自分が来たのは当然のことだというように質問を聞き流して、逆に向こうから言った。

※当然/musse→Muse/ミューズ、文芸、詩歌。

《つまり、自分の登場は「文芸、文学上」(虚構)のことであると暗示している、

 旅行服、旅行の極みは放浪、このフランツはイスカリオテのユダではないか。フランツはユダでありK自身である。

 

「ベルを鳴らしましたね?」

※ベルを鳴らす/gelautet,weckr、klingel

 klopfen、 klopfte(ノックの音)、kringel knopf(呼び鈴を鳴らす)

 ベルを鳴らす、ノックをするという時、それは「死への」という暗示か。

 

「アンナに朝めしを持ってきてもらおうと思ってね。」

※朝めし/Fruhstuck→Fruh/春・初期、stuck(俗)女

 

 小さな笑い声が隣室で起こって、そのひびきからはとなりにいるのが複数の人間なのかどうかわからなかった。

※複数/mehrere→freimaurerei/フリーメーソン結社(共済秘密結社)

《小さな笑い声が隣室で起こって、そのひびきからはとなりにいるのが共済秘密結社の人間なのかどうかは分からなかった。

 

 彼は警告するといった口調でKに言った。

※警告する/Meldung→milderung/緩和する、中和する

 

 グルーバッハ夫人がこんな妨害行為にたいしどう責任をとってくれるのか

※妨害/Storung→Schopfung/創造、 Schopfung sage/天地創造説

《グルーバッハ夫人がこんな天地創造説に対しどう責任をとってくれるのか。》ヴィレムは天のお父様、つまり在りて在る者

 

こんなこと大声で言うべきじゃなかったし言ったために見知らぬ男の監督権といったものを或る程度みとめることになってしまったのに気づいたが、

※監督権/Beaufsichtigung(srucht)→Beangstigung/不安、心配

《こんなことを大声で言うべきじゃなかったし神のことなど畏れ多くて不謹慎と思われる)言ったために見知らぬ男の不安感といったものをある程度認めることになってしまったことに気がついたが、》

 

いずれにしろ見知らぬ男はそうとったらしくて、言った。

「ここにいたほうがいいんじゃないのか。」

 つまり心配しているのである。