カフカの言うアルキメデスの点、梃子の点「さすれば地球を動かしてみせよう」といったその点とは【北極星/Polaris】である。この点が『城』に於いても『審判』に於いても鍵になっている。

 

 〈第一章・逮捕〉

 

 だれかがヨーゼフKを中傷したに違いなかった。

※中傷/verleumdel→verruhren/かき混ぜる

《誰かがヨーゼフKを(Kの運命を)かき混ぜたに違いなかった。

 

 なぜなら、なにも悪いことをした覚えがないのにある朝逮捕されたからである。

※悪いこと/Bose→Busse/賠償、贖罪

 逮捕/verhaftet→verfalltag/満期日

 逮捕をなぜverhaffetとしたのか、Verhafttungではないか。verhaftetを辞書で見ると(人に)義務を負っているという意味である。「死=義務を負う」

 何も悪いことをしていないのにある朝、満期日(最後の一日→死)が訪れるとは。

 

 彼に部屋を貸しているグルーバッハ夫人の料理女が、いつもは八時頃朝食を運んでくるのに、この日にかぎってやって来なかった。

※料理女/Kochin→Cosin/従姉

 あとから登場する大尉はグルーバッハ夫人の甥、この料理女も多分、血族。何らかの生命連鎖の任意の点である人物。

 

 枕に頭をつけたまま、向かいの家に住む老婆がなみなみならぬ好奇心を見せてこっちを観察しているのを見ていて

※老女/alte frau→altvater/祖先

 

 いぶかしくもあれば腹も空いてきたのでベルを鳴らした

 痩せているががっしりした体つき、ぴったり身に付いた黒服を着ている。

※いぶかしい/befremedet→befreundet/親しい

 痩せている/schlank→Schlang/蛇のように陰険な人

 がっしりした/gebeut→Geburt/誕生、血筋、発生、起源

 ぴったり/anliegendes→liegend/死んだ

 黒い/schwarzes→schwanzeln/犬が尾を振る

《蛇のように陰険に見えるが、わたし(K)の起源(祖先)である(人)つまりすでに死んでいるが犬が尾を振って来るような人。》

 ギリシャの極星/キノス→「犬の尾」と呼んでいた。

 

◎料理女Annaは階級意識と処女解体に対する媒介的な存在

 老婆たちはKの祖先であり、太陽、中心に位置する

 Fraz Grubachは地球の母なる化身