『注文の多い料理店』は化学の匂いがする。
だいぶ山奥の木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを言いながらあるいておりました。「ぜんたい、ここらの山は怪しからんね。鳥も獣も一疋も居るやがらん。」(略)あんまり山が物凄いので、その白熊のような犬が二疋いっしょにめまいを起こして、しばらく唸って、それから泡を吐いて死んでしまいました。
※白熊はハク・ユウと読んで、箔(金銀などの金属を薄くたたきのばしたもの)熊
銀→硫化銀 H₂S+2Ag→AG₂S+H₂(泡を吐くというのはH₂↑)
金が太陽なら、銀は月
二人の紳士は鉛か錫、卑金属でありながら貴族(貴金属)に、お近づきになりたいと。
「壺のなかのクリームを顔や手足にすっかり塗ってください」
※化学でクリームといえばコロイド
「早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください」
ところがその香水はどうも酢のような匂いはするのでした。
※薄い塩酸を注ぐとアルミはまるで溶け亜鉛、鉄は泡を吐いて溶ける
Pb+2Hcl→Sncl₂+H₂↑(泣いて泣いて泣きました)
Sn+2Hcl→Sncl₂+H₂↑(〃)
錫だろうか鉛だろうか。何れにしても銀白色をした貴金属まがいの卑金属
※塩酸を使用して作った塩(Pbcl)はすべて銀溶液によって塩化銀を生む
Pbcl+Agno₃=Pbno₃+Agcl⇔Ag+Cl
Pb+Agcl=Pbcl+Ag
二酸化スズの溶液に少量の第二水銀を加えると→Hgcl(白い沈殿)、温めるとHg+Cl(灰色)吟のように白光(水銀のアマルガム)
何となく『注文の多い料理店』には伏線として化学の匂いがする。
『注文の多い料理店』(注文多料理店)はチュウ・モン・タ・リョウ・リ・テンと読んで、宙、門、太、遼、理、伝。
《宙(大空)の門である太陽、遥かな理(宇宙の根本原理)の伝(物語)》