『ひまわり』

 

 この太陽、この光、どういえばいいのか、いい言葉がみつからないから、ただ、黄色、薄い硫黄の黄色、薄い金色のレモンという他はない。この黄色は実にすばらしい。(ファン・ゴッホの書簡全集・522番より)

 希望を或る星のよって表現すること。生あるものの烈しさを夕陽の光線によって表現すること。もとよりそこには写実的な写実はないが、それこそ実際に存在するものではなかろうか。(532番より)

 

 

【ひまわりは一つの信仰と化した】

 ある星によって表現すること、というある星とは太陽に外ならないのではないか。

 この『ひまわり』の連作を12枚描こうとした意図(真意)は何か。

 また同じ時期に椅子を十二脚も求めている。

 

 自然への敬意、ゴッホにとって太陽は根源的存在(原点)である。(部屋に十二枚のひまわりの絵を飾ろうとした根拠を思う。

 

【十二枚のひまわりの絵は部屋の宇宙化】十二枚の『ひまわり』の絵が並ぶ部屋は縮小された宇宙の広がりである。太陽がめぐる小宇宙を再現すべく家具調度(十二脚の椅子)、装飾(十二枚の『ひまわり』)への拘り腐心は、崇拝するものへの希求そのものである。