と云ひますと、一人の百姓は、

「しかし地味はどうかな。」と言ひながら、屈んで一本のすゝきを引き抜いて、それから根から土を掌にふるひ落して、しばらく指でこねたり、ちょっと嘗めたりしてから云ひました。

 

(云一人百姓地味言屈一本引抜根土掌落指嘗云)はウン・イツ・ニン・ヒャク・ショウ・ジ・ミ・ゲン・クツ・イツ・ホン・イン・バツ・コン・ド・ショウ・ラク・シ・ショウ・ウン

 云/ウンは薀

 一人はイツ・ニンと読んで、逸(隠れて)忍(忍んでいる)

 百姓は百(たくさん)照(普く光が当たる)

 地味はジ・ミと読んで、辞、魅(惹きつける)

 言はゲンと読んで、現。

 屈はクツと読んで、弘通(仏法が広まること)

 一本はイツ・ホンと読んで、一(最高)の本(根本)

 引抜はイン、バツと読んで、隠(隠れた)罰(懲らしめ)

 土掌はド・ショウと読んで、怒(怒り)傷(悲しむ)

 落思は絡(物寂しい)思い

 嘗はショウと読んで、招(呼び寄せる)

 云はウンと読んで運(巡り合わせ)

 

《薀(奥義)を隠れて忍ばせてある。

 沢山の平等を辞(言葉)で魅(惹きつけること)が現れる

 弘通(仏法が広まること)は最高の根本(源)である。

 隠れた抜(懲らしめ)に怒り悲しみ、ものさびしい思いのする運(巡り合わせ)がある。》