先頭の百姓が、そこら幻燈のやうなけしきを、みんなにあちこち指さして、
「どうだ、いゝとこだらう。畑はすぐ起こせるし、森は近いしきれいな水もながれてゐる。
それに日あたりもいゝ。どうだ、俺はもう早くから、こゝと決めて置いたんだ。と云ひますと、
(先頭百姓幻燈指畑起森近水日俺早決置云)
先頭はセン・トウと読んで、千、等
百姓はセン・ショウと読んで、千、照
幻燈はゲン・トウと読んで、現当(現世と来世)
畑起はハタ・キと読んで、将、鬼(死者)
森近はモリ・キンと読んで、魍霊、金
水はスイと読んで、𨗉(奥深い)
俺はヨウと読んで、陽
早ソウと読んで、総
決はケツと読んで傑(優れている)
云うはウンと読んで、薀
《千(多くの)等(平等)、千(たくさん)の(あまねく光が当たる=平等)、現世と未来、果たして死者の魍霊は金(尊く)𨗉(奥深い)。
陽(太陽)は総てにおいて優れた薀(奥義/神髄)である。》
※常に、平等、太陽の平等ということを念じている。