(第一章)二重を読み解く
賢治が第一に考えていたことは《平等》である。
『風の又三郎』は(どつどど どどうど どどうど どどう)で始める。
同、同、同の連呼。
(青いくるみも吹きとばせ)
青/ショウと読んで、照(あまねく光が当たる=平等)
くるみ/胡桃。胡桃/コ・ショウと読んで、固、照。(はじめから/もとより平等)
吹きとばせ(吹飛)はスイ・ヒと読んで、推、秘。(前へ押し出すことは人に見せないように隠す)
☆平等、もとより平等を前へ押し出す。(人に見せないように隠す奥義)
『風の又三郎』(風又三郎)はフ・ユウ・サン・ロウと読んで、普、幽、Sun(太陽)、ロウ/Law/律。
☆普く幽(隠れた、潜む)Sun(太陽)の律であるという他意がある。
『すべて二重の風景を』(二十風景)はジ・ジュウ・フ・ケイと読んで、字、自由、普、計。
☆字を自由にし、普く計る(謀る)
賢治の作品は、賢治の主張を隠した二重性を潜在させて描れていると確信する。
『注文の多い料理店』(注文多料理店)はチュウ・モン・タ・リョウ・リ・テンと読んで、註、問、他、両、裡、展。
☆註(意味を明らかにして)問うと、他(もう一つのもの)があり、両(二つ)の裡(内側)を展く。
『注文の多き料理店』(注文多料理店)はチュウ・ブン・タ・リョウ・リ・テンと読んで、宙、分、太、霊、里、伝。
☆宙(大空、空間)分(見分け)、太(太陽)霊(死者の魂)の里(住むところ)を伝える。
『洞熊学校を卒業した三人』(洞熊学校卒業三人)はドウ・ユウ・ガク・コウ・ソツ・ゴウ・サン・ジンと読んで、同、幽、楽、恒、率、劫、Sun、腎。
☆同(平等)である幽(死者の世界)は楽しく恒(変わらない)。
率(ありのままで)劫(極めて長い時間)Sun(太陽)が要である。
詩篇その他もすべて二重の風景を映し出しており《太陽、平等、神仏の教え、冥府》などの言葉に集約される。二重とは(現世)対(あの世)であり、漢字の変換によりもう一つの世界が映し出されるという現象だと思う。