(七)

 

 自分と一所に小金井の堤を散歩した朋友は、今は判官になって地方に出ているが、自分の全豪の文を読んで次の如くに書て送て来た。(本文より)

※地方/region→the lower region は地獄の暗示ではないか。

 とすると、朋友は亡友、こがねい→cognate/同じ祖先の。堤(diek→die/死)

 自分と一所に同じ祖先の死(冥府)を散歩して亡友は、今は判官になって地獄(冥府)に出ているが、自分の全豪の文を読んで次のごとくに送って来た、という風にも読める。

 

 --武蔵野は俗にいう関八州の平野でもない。また道灌が傘の代わりに山吹の花を貰ったという歴史的の源でもない。僕は自分で限界を定めた一種の武蔵野を有している。その限界はあたかも国境又は村境が山や河や或は古跡や、色々のもので、定められるように自ら定められたもので、その定めは次のいろいろの考から来る(本文より)

※①関八州は武蔵、相模、下総、上総、安房、日立、上野、下野の八ケ国。

 ②武蔵野は関東平野の南西部、東京都青梅付近から東方、東京都・埼玉県に拡がる台地。

  武蔵野台地とも言い、北は入間川、荒川、南は多摩川で限られる。

 ③同館は江戸城を築いて根拠とした。また川越、岩月に白を築いたともいう。

 ①②③から武蔵野は関八州そのものではないが武蔵、相模はその一部は武蔵野である。

 道灌も根拠とした地域は武蔵野だと思うが、何処に狩理に出かけてその少女にであったのかは分からない。

☆現実とは外れた独歩の冥府(死の国)に適合した地域を選ぶという隠れた提示であり、その定めは色々の考から来るというわけである。