斉藤平太は故郷の停車場に着きました。それからトランクと一緒に俥に乗って町を通り国道の松並木まで来ましたが平太の村へ行くみちはそこから岐れて急にでこぼこになるのを見てあとは行けないと断って賃銭をとって帰ってしまひました。

※故郷→国境(あの世とこの世)、停車場→転写場。

 松並木、松/pine→pain/悲しみ。悲しみが続く路。

 賃銭/チンセン→沈潜/深く考えること

☆斉藤平太は国境(現世と来世)の転写場に着きました。それからトランク(棺)と一緒に国道の松並木(悲しみが続く道)まで来ましたが、俥夫(現世の人間)は、あとは行けないと断わり、深く考えて帰ってしまいました。

 

 斉藤平太(西から東まで炳(光輝く)太(太陽)→現世とは反対側の太陽)はそこで仕方なく自分でその大トランク(大/ダイ→die、トランク/棺)を担いで歩きました。

 

 ひのきの垣根の横を行き麻畑の間を通り桑の畑のへりを通りそして船場までやって来ました。

 渡し場は針金の網を張ってあって滑車の仕掛けで船が半分以上ひとりで動くやうになってゐました。

※ひのき(糸杉は西洋では葬式の木)の横/オウ→往/人が死ぬ

 麻/朝/morning→moourning/哀悼

 桑の畑のへり、桑はクワ/禍、ヘリ/hell→地獄

 針金/シンキン→シキン(試金)

 滑車の仕掛け→火車を暗示し、罪人をのせて地獄へ運ぶ。

☆ひのき(葬儀)の人が死ぬ哀悼の間を通り禍(災い)の地獄を通りそして三途の川の船場までやって来ました。渡し場は試金(善悪を図る場)には火車があって地獄へ運ぶ船は半分以上ひとりでに(自然の摂理)動くようになっていました。