『フレッシュ・ウィドウ』

 ミニチュアの窓:青く着色された木、正方形のなめし皮8枚、木製の板台、1.9×45.1×10.2㎝

 

 『フレッシュ・ウィドウ』、新鮮な未亡人。向こうが見えない窓、この窓を押し開けると新たな未亡人が待っているということか。

 窓の向こうは決して見えない隔絶された世界(部屋)があるという暗示。

 しかし、どんなに頑強に隠蔽しても(たかが窓一枚)の距離、隔たり。

 

 男性がこの窓の向こうへ行けば男性を失い女性になるという仕掛けである。男が男の性を生を失い女の性を得る。小さな薄い窓(壁)一つの瞬間移動。壁一つの際は簡単に消失可能な安易なもの(差異)に過ぎない。

 

 『フレッシュ・ウィドウ』なるものは霧消する仕掛けに過ぎない。有るが無いのである。

 男性が女性になるのではなく男性という身体が女性という精神を所有するという有るべくして在る自然な仕組みを解放せよという告発である。

 

 写真は『DUCHAMP』TASCHENより