『泉』
レディ・メイド:陶器製の小便器、36×48×61㎝
『泉』というタイトル(物事が出てくる源)つまり、根源的な問いであり、地表に自然に湧き出てくる水である。
陶器製の小便器、この物は女性に於いては決して使用不可なものである。使用したくても男女の身体的構造の相違から使用することは困難であり、男性に限定された代物である。
性の相違、特質を厳然と物語る設置物、この物を使用する際に厳然と感じる男女の差異を受け止めかねる精神の在処を証明しうる媒介としての在り処。
男性とは何か、身体構造のみが証明し得るものであるのかという大いなる疑問。大いなる異論を告発する原点である。
切り離された男女の隔絶は決定的に見える。拒絶の範疇を物理的に証明し得るものはこの『泉』の向こうに潜んでいるが、挙げるべき声は閉ざされたまま極めて小さいものとして大衆の前に出ることはない。
此の確定こそが人類の問題であることを告発して止まないことを表裏に抱えた作品呈示である。
