『急速な裸体に囲まれた王と女王』

 

 (急速な裸体)は意味不明である。(急速な裸体)、急速に移動(走るなど)する景は無いとは言えない。あるかもしれないが(急速な裸体)に(囲まれた)と続く。囲むことは留まることであり停止状態であるから急速な裸体はそこで意味を失う、停止状態は急速という形容を受け付けない。

 さらに囲まれたのは(王と王女)というトップ、国の最高位に君臨するある種の象徴である。

 

 動(急速)と包囲(静止)。

 裸体(名もなき者/下位)と王と王女(最高位)

 隔絶の最大値の集合は現実には有り得ないが、言葉(空想)の範疇では成り立つことの渾沌。条理はとっくに外れている。

 一つの世界の分断、回転には交わる接点がない。しかし言葉(あるいは画)における融合をこの画の中に潜めている。

 

 意味を捜そうとして証明すべき意味の具現化が見つからない。画に描かれた各々は接続した形象であるかに見えてその確信が持てない偶然の形象にしか見えないのである。つまりタイトルに於ける必然的な要素を見出せず、集合しているが拡散的であり、タイトルと画に一致の痕跡を証明できないのである。

 

 集合は拡散であり、意味は無意味を含有し、存在は(有と無の間)に定点を浮動させるので、決定を認証しない。つまり決定的な律は存在しないという告発である。