『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
くしゃみ・・・鼻の粘膜の神経が刺激されて発作的に息を吐き出す反射運動。
ローズ・セラヴィはデュシャンの中の女性名である。
この創意は並べて自然に見える自然の歪みを告発するものである。
同じに見えるものは、同じでないものの僅少を押し出してしまう、異なるものは同一に見える多数に差別を被る。
共同体は排除によって成立するかの錯綜に気づかない。意識は同じであることに安堵し、無意識のうちに結束しているようにさえ見える。
デュシャンは内なるローズ・セラヴィを喚起する。
この作品には大いなる愛の肯定(平等)が隠されている。受け入れるべき世界の真相をなぜ声高らかに訴え出ないのか。ローズ・セラヴィよ、《わたしがわたしであるために、わたしの内より出でよ》そう、嗾けているのである。
(立ち向かうべきである)と。
写真は『DUCHAMP』TASCHENより