身体機能は著しく衰退している。飛べと言われても飛べない、走れと言われても走れない。

 まったく惨めな状況である。

 

 急ぐ用もないから、飛ぶ必要も走る責務もない日常、ただ生きている。

 無為、徒労、無駄飯食いの老女は夢想する、本当は飛べるし走れるのだと。怖れを棄て、飛べ!走れ!と叱咤し、その気になってみる。瞬時敗れる滑稽な夢想、錯覚。

 端から諦める癖がついているだけかもしれない。年を取っても飛べるし走れる。日々の訓練(?)が足りない、そうに違いない。

 

 今日からでも・・・小さくなる声。

 

 同年代でも近くの衣笠山へ散策、散歩に出かける活力ある人たちがいる。

「どちらへ?」「ちょっと衣笠山へ」(スゴイなぁ)

 衣笠山は低山である、それでも躊躇してしまうわたし。思えばAさんは80代までは衣笠神社まで一と六の日にはお参りしていたという。

 元気な人のパワーを頂き、わたしも・・・体力が無いと思うのは錯覚に過ぎない。

 頑張れわたし≦頑張れないわたし・・・体力は未だ残っていると錯覚したい!