信じるも八卦、信じないも八卦。

 誰でも将来は気がかりである。(どうなるのかな)漠然とした未来への不安と期待を抱く。だからといって・・・。

 

 妹は取り上げてくれたお産婆さんが「この子は一生お金に苦労はしないよ」と言ったらしい。何を根拠かは分からないが、妹は今に至るまで豊かではある。

 それに引きかえわたしは、妹のお陰で何とかやっている次第。

 

 二十才のとき路上の占い師に観てもらったら「あんたは家族のために苦労する、でも老人になったころは・・・」

 二十才のわたし、老人になった未来など生死すら分からないとガッカリ。

 横浜は伊勢佐木町の路上、人だかりがしているので覗くと、占い師(高島易断)はいきなりわたしを指差して「あんたのお父さんは酒飲みだね」という。図星だったけど恥ずかしさのあまりその場から離れてしまった。

 四十才のころ占いコーナーで1000円とあったので入り「1000円でお願いします」と言ったら「1000円じゃあんまり見れないよ」と言いながら・・・「あんた他人がやっていないことやっているね」といきなり。最後には一緒に占いをやろうとまで言い、手を放してくれなかったことがある。

 六十才のころ中華街のはずれで見てもらった時にはやはり「何してんの?」と逆に質問され苦笑したことがある。「何かしているね」と探りを入れる風。

 

 結局今に至るまで花の咲かない人生、大きな怪我をしないだけでも十分だと割り切っている。