『3つの停止原基』

 

 停止原基・・・止める、一時差し止めることの度量衡の基本・標準となる器物。

 3つの原基なる尺を見ると、偶然としか思えない線状である。

 

 丁寧に仕立てられた箱、しかし左右の留め具は上下反対に付くものではないか。

 原基とタイトルした割には厳粛さに欠ける、つまり全くの偶然、任意の停止原基である。換言すると、任意、偶然こそが停止原基であるという命である。

 

 基準は誰が何によって図り、決定されたものかという(不審)が潜んでいる。この奔放、大らかさ、自由なる提言は基準を乱すものに他ならない。

 定められたものへの逆襲(反逆)を密かに試みて静観している図である。騙されてはならないぞ、という自由への謳歌が息づいた作品の呈示である。

 

 写真は『DUCHAM』TASCHENより