『再開』
一度閉じたり、中断したりしたものを再び開くこと。また再び開かれること。
テーブルの上の卵の入った鳥の巣の影と高台の鉢植えの影の方向にズレがある。つまりこの二つのものは異なる時空間のものを一つの手ブルの上に併合させて描いているということである。
背景は黒のベタから茶色のベタ(土色)に変わっている。
鉢植えに咲いていたであろう草花のシルエットを切り抜き、草原の中の一本の樹をあたかも鉢植えに刺さるかのように中心に描いている。
鳥の卵は成鳥を予想させ、鉢植えの草花のシルエットの切り抜かれた空間の樹を置換させるイメージを醸す。
つまり、卵から成鳥までの時間、草花を遡った過去の時間をそれぞれ想起させる。循環、廻るべき定めの時間の容量を一枚の画の中に凝縮させている。
過去あるいは未来の時間の方向性が交錯する現場である。
枯れゆくであろう草花の原風景、卵からの成鳥。必ずそうなると決まっている自然の約束。
『再開』、繰り返す生命の連鎖の時空間の交叉、自然界の掟は斯く左様に再開を常としている。
写真は『Rene Magritte』カタログより