『記念日』

 

 室内の中に巨岩石。岩が先にあり建屋(部屋)が後か、窓や入口からは要れることが困難(不可能)な巨岩石。

 

 室内(精神)の中に大きな領域を占める岩。(神こそわが岩、わが救、わが高きやぐらである/詩篇62)

 岩が室内に大きく占めた事を以て、《記念日》とタイトルしている。

 

 遠近法から見ると右上の天井から右下に見える床線の角が左側とは差異があり、この巨岩石の入った部屋に歪みを認めないわけにはいかない。

 マグリットの意図が何処にあるのか、断言は難しい。ただ明らかに中央に坐す岩と室内の関係には隠れた歪みがあることがマグリットの言葉にしがたい宣言(メッセージ)が潜んでいる。

 『記念日』とは信仰に対峙するマグリットの答えを発信し得たと確信できたことによる記念日なのだと思う。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより