『ピレネーの城』
海上に浮かぶ巨岩石の上にある岩と化したピレネーの城。
城は地上からは見ること(確認)は出来ない位置関係であり、岩石の城は外交のルートがなく遮断された領域は崩壊することなく堅牢なまま痕跡を残している。痕跡ではなく精神界の幻、信仰の景色かも知れない。
白い雲、青い空、海岸線(地上)は平静に見えるがかなりの大波である。
大波の上の巨岩石は恐怖であり、落下を必然とする自然界に浮上する巨岩石は不条理そのものである。なお、そのうえの城に於いてをや・・・。
この関係性に答はあるか。
この巨岩石は地上を俯瞰しており、有り得ないことを有ると断言しきっている。物理界の法則は通用しない、つまり精神界の横行であるこの景色の構築は驚異であると同時に物理界の束縛(通念)からの解放である。不自由を自由に、錯覚の城は堅牢かつ見えないまま永久を演出する。
『ピレネーの城』は見えないが確かに有ると信じるに足るものであるという宣言である。精神界は物理界を超えて錯綜し人は迷走を余儀なくされるのではないか。波打ち際の波はよく見て検証すると想像以上の大波であり恐怖である。
写真は『Rene Magritte』カタログより