『誓言』

 

 誓言、誓の言葉である。

 

 赤い太陽、朱色の空、散在する石(岩)に掲げられて在る石造りの林檎。

 景が夜明けなのか日没なのかの判断は鑑賞者に委ねられていると思う。

 

 これらを以て『誓言』とするマグリット。

 

 『創世記』第三章をみると、

 女はへびに言った「園の中央にある木の実については、これを取って食べるな、これに触れるな、死んではいけないからと、神は言われました」へびは女に言った。「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知るものとなることを神は知っておられるのです」。

 略

 園の木の実は林檎のようなものだと思うが、「この実を食べたことで女は産みの苦しみを大いに増す。あなたは苦しんで子を産む。それでもなお、あなたは夫を慕い彼はあなたをおさめるであろう」と神は女に言う。

 更に人に言われた「あなたは一生、苦しんで地から食物を取る。地はあなたのために、いばらとあざみを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。あなたは額に汗してパンを食べ、ついに土に帰る、あなたは土からとられたのだから。あなたはちりだから、ちりに帰る」。

 

 林檎、木の実にまつわる神からの言葉であり、人(人類)の始まりである。

 

 石化した林檎への遥かな想い。永遠の林檎を石化したのか、祭られたのかは知る由もない。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより