コミセンの講座で隣席に並んだ人は
「戦時中、福島に疎開していたの。たまたま帰ってきた日が東京大空襲。母はわたしに水をかけて『川に飛び込みなさい』と言ったわ」
「火がついたまま飛び込んだ人もいて、それは狂気の沙汰・・・。女学生だったわたし、本も読めない人生だったわ」
「・・・」
「で、ここの文学講座に申し込んだのよ。この本、上田秋成の『雨月物語』ずっと持っていたの、昭和15年発行よ」と笑った。
昭和15年発行の文庫本は戦禍をくぐって彼女の宝物として残ったのだと思うと震撼とした。
文学とは縁が無く高校時代漢文の教師が「わたしの授業は2単位ですから取らなくても卒業できます」と言うのを聞いて即スルーしたわたし。
「ただ(無料)で教えてもらえるのに勿体ないじゃない」と言ったクラスメイト。
ホントにホントにおバカなわたし、学成り難しのまま既に後期高齢者にランクイン!