『アルンハイムの地所』

 

 月は二十六日あたりの月である。この月が南中する頃は真昼であると思うが、この作品では星が瞬く深夜である。しかも建物の開口部には煌煌とした月影(光)が・・・。

 大きく羽を広げた鷲の相をした岩石の山肌である高い山。

 

 作品の示す条件は(非現実)である。

 空想の世界、現実ではあり得ない奇想の時空、しかも鳥(鷲?)の卵が三つ、生命の予兆である。有り得ない時空の有り得ない生命連鎖。卵の籠(巣)はブロック積みの塀の上。ブロック積みは現代の様相であり、残存の上の世相(未来)を暗示している。

 

 設定は厳密に現実(現世)を否定した(過去でも現代でもない)新しい構築であり、現実を脅かす恐怖を醸す強力な世界観を秘めている。この設定、確かにエドガー・アラン・ポーなら気に入ることは間違いない。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより