『弁証法礼讃』
弁証法…対話技術、対象の本質そのものにおける矛盾の研究。発展の契機を事物の内的な矛盾に見るもの。
家の開口部に窓があり内部にも建屋が見えるという景。
建屋の中に建屋ある、明らかに不条理である。少なくとも遠近法を否定、破壊している。この景を肯定するのは困難であり実質を収縮・歪曲する必要がある。もちろん物理的には不可能であり精神界でのみ通用する錯視である。
有り得ないこと(矛盾)が同じ時空で有り得るという現象は絶対に無い。
窓(建屋の開口部)から窓外に在るべき建屋が窓の中(室内に鎮座するなど)に侵入させることは物理界において立証は不可であり、有り得ないこと(矛盾)を強引に設置する手立ては虚偽である。
物理界で不可能なことも精神界では可能である。言語(架空)や描写(視覚)における企画、謀など詐術に見る幻惑の世界観。
マグリットの礼讃は『弁証法礼讃』の作品にある愉快に他ならない。
写真は『Rene Magritte』カタログより