『永遠の明証』

 

 女性は身体の各部位のよってバラバラに切断され、それぞれ額縁に入れられている図である。頭(顔)から足先に到るまでを順次、一目で裸婦そのものと解かるように女性の身体を縦に(そのように)並べている。

 男女を問わず身体は「神聖なものである」という原初は絶対であり、敬意を前提として見るべき身体である。

 

 裸婦はエロス(性愛)の対象だという思考は、異性からの視点である。

 刻まれた身体の部位がそれぞれ額縁に納められているという奇異な景は、生々しいと同時に触れてはいけない物、あるいは触れることに畏怖を感じるものと化している。つまり性愛を拒否するものである。

 身体(女体)への軽々しい蔑視とも受け入れかねない作品は額に納めても《尊厳》を希薄にしている、否定していると断言できるかもしれない。

  同性からの眼差しに関していえば、自身の身体を曝け出した作品の前で同意は難しく、憤怒、嫌悪に眼を背けざるを得ない。

 

 しかし、部位そのものに妄想を抱き執着する傾向が無いとは言えない。

 各部位を切断してもなお欲情を抑制できない眼差し、描かれたもの(偽物)であるにもかかわらず冷静に向き合うこと(対峙)は難しい。反感に於いては更に・・・。

 

 つまり、人としての営みの根拠は失せることがないという証明であり、既知の偽物(描かれたもの)と知ってもなお湧きおこる本能(反感を含めて)こそが『永遠の明証』人類の根拠である。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより