『本来の意味』

 

 黒い枠、太く黒い✖で四分割された画面。(✖の下部部にモヤっとした薄い白色が見える)

 煉瓦、深く暗い緑色、薄く白色が霞んだ青、真っ白い部分にはcorps de femme の文字。

 これらが『本来の意味』というタイトルを付けた作品の概要である。

 

 本来、The Literal(文字通り)・・・

 しるし、記号の持つ共有意識はどこから来るのか。積み重ねられた時間、歴史の中でより多数の肯定を得られた約束は観念化する。異なる言葉の地域(領域)においてさえ共通の感覚というものはほぼ一致する現象がある。

 ✖や●、明暗、自然の持つ実質(雰囲気)、生活に必要な物の作成、例えばレンガなどは土と火(太陽)と水の組み合わせであり、自然発生的に獲得し得た技術、叡智の集合である。

 

 即物的な印象、共感するイメージ、言語、彩色、質的感触は連絡通話約束の手段として繰り返し形を成していく。

 本来在るものとしての自然、五感に訴える様々な要素は自然発生的に必要不可欠なものとして生活手段と化す。

 

 原初、人類の始めはアフリカのお母さん(女性)だと聞いたことがある。

 女の身体、自然、混沌(暗礁、愛憎)、人智。この四要素のプロセス・・・肯定、否定、大いなる肯定。

 マグリットは(本来の意味)という根本・原初に常に身を委ね、存在への探索追及を問うている。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより