『巨人の時代』

 

 一見して襲う男と襲われた女、強姦の図である。

 巨人、並外れて大きい人。女性が描かれてるが、女性に巨人という形容を使用するだろうか(それは無いという思い込みがこの画を成立させている)

 髪の毛の長さ、乳房、陰毛は明らかに女性の特質である。

 

 男に襲われている?よく見ると、男は女の下半身にしがみついている。

 切り取られた男の肩線を追うと、女は男の両肩を掴んで強引に引き寄せている、捕まえている(あるいは拒否)と換言した方がいいかもしれない。

 

 女が優勢(強い)であった・・・巨人であった《時代》が神代の昔あったのだという事が隠蔽された作画。(なんの、現代に於いても耶)

 乳房や陰部を隠すこともなく腕力を以て男を誘い込む、か弱い男のへっぴり腰、ひどく冷徹な女の顔。ここには性愛の欠片はない。

 勝るものが優位、支配は巨人にある。巨人の性、女の猛威。(事情を抱えて自死に至った亡母への追悼、沈黙の讐を密かにも果たしたのではないか)まさに(こういう時代がありましたという時空の想定)「巨人の時代」である。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより