『一夜の博物館』

 

 一夜限りの博物館、四分割された棚に納められてあるもの。

 果実、切り取られた手首、岩(鉱物)、模様を切り取った紙での遮蔽、これらは何を意味するのだろう。

 

 古今東西の自然、歴史、文化などに関する資料を納めた施設だという『一夜の博物館』、一刹那の幻は、しかし画面上に固定され永続性を持つ発表である。

 紙に刻んだ模様は上下左右に展開させていくと終がない、つまり人の概念による(永遠)の暗示である。

 果実と手首は(生と死)

 鉱物(不変の岩)は、(神)の暗示かも知れない。

 

 時間における生物の命(連鎖)、そして神への信奉(問い)を垣間見せている。正否はまたたく間の一夜という限定であり、マグリットの告発めく博物館の所有する時空は謎のまま提示を投げかけている。答えを鑑賞者に委ねたこの問いは決定の猶予を与え、あるいは恣意に解放している。

 

 写真は『Rene Magritte』カタログより