『やまなし』
すべて二重の風景。
物語はそのままのファンタジーである。加えてもう一つの景色がひそんでいることを読み解く面白さ、深さが賢治の話には隠れている。
《やまなし》は太陽(サン)であり、《クランボン》は地球、《魚》は月である。
蟹はかに座、二匹の子供らはふたご座のカストルとポルックス。
この景色は黄道にある星座から太陽、地球、月の様子を見たものだと思う。宙の相を水に変換している。
クランボンはclod(土くれ)、ボンは凡(すべて)。クランボンは(すべて土)である地球を。
小さな谷川の底(sole→solar)、つまり太陽を写した景であり、二枚の青い幻燈は二つの昧(暗くてはっきりしない)青(セイと読んで)星を現し、それを謄(書き写したものです)。
壮大な景色を基に構想した物語である。