『会話術』

 会話とは、話を交わすこと。AとBをつなぐ意思疎通のツールである。

 石のブロックが(REVE)と読める形に積まれている。文字を知らなければ意味は判らない。会話とは「約束」であり、共通認識の下でしか発揮できない。

 REVE=夢であるとは一部の人たちの築き上げた世界観でもある。言葉と意味は、取捨選択の長い歴史の結末であり、途中である。
 物(岩石)は無機質である故、精神は存在せず、言葉も生まれず、対話もあり得ない。
 しかし、人はその無機的な物質を利用して記号を刻み《意味》を伝えようとする。もちろん声というツールは精神と深く結びついているが、実体がなく消失を余儀なくされる。それが岩石(石碑)であれば時間の持続は紙などよりもはるかに永続的に残存するに違いない。

 伝達(会話)の術は、想像以上に永続的かつ堅固であり、人の精神を動かし、また残存する可能性を秘めている。

 写真は『マグリット』展・図録より