さくらふぶき流れて茂吉胸像の丸き眼鏡にレンズはあらず

 斎藤茂吉はアララギ派の中心歌人として活躍し精神科医として青山脳病院の院長を務めるなどした人物。
 山形県の出身、上山市の斎藤茂吉記念館の前にある銅像を詠んだ歌である。
 さくらふぶき・・・桜吹雪、立派に功績を果たし故郷に錦を飾った茂吉の銅像。

 しかし、銅像ではなく胸像と詠んでいる。
 永井ふさ子への激しい恋慕、「たましひはぬけてしまひます。ああ恋しくてもう駄目です」、「恋しくて恋しくて、飛んででも行きたいやうです。ああ恋しいひと、にくらしい人」とまで言わしめた茂吉の恋。

「ふさ子さんは小生のどういふところがお好きなのですか」との問いに
「非常に純朴で、偉い方のようではなく子供のようなところが好きです」というようなことを書いたという彼女の回想。

 丸き眼鏡にレンズはあらず・・・裸眼、裸の目で裸の心で彼女を愛したのだと思う。
 さくらふぶき・・・小椋佳作詞の「夢芝居」
♪心はらはら舞う夢芝居 恋はいつでも初舞台♪

 茂吉の恋を詠んだ歌である。

※ちなみにわたしは、旅行家・冒険家の斎藤輝子のファンでもある。