
『空気の平原』
空気は気体であれば、平原は無い。(層はあるが)
もしも、ではなく(あること)が前提の作品である。
山の頂上に一本の葉でできた樹木があるが、視点は見上げるのではなく対面であり、巨大な葉(樹木)であるのに遠近法を外している。少なくとも画面全体の視点と重なる構図である。
岩盤に唐突に樹木が聳えているという矛盾…第一、一葉が巨大な樹木に見える光景自体に矛盾がある。
奇異、矛盾を平然と並べ、一つの空間(景色)として成立させる強引さは知的世界にのみ許される空想という異次元であり、『空気の平原』というタイトルからして、自然への反逆、冒涜である。
知的権力の行使、精神の自由は地の果てまでも変換可能であるから『空気の平原』は成立しうる条件に相当する。
写真は『マグリット』展・図録より