
『心のまなざし』
精神界である。地上遥か向こうには純白の球体(真理)がある。
天空はスッキリとはいかない迷いの苦渋、混沌の色が被っている。
この地に立つわたくしの精神のありようは小さな入口から巨きく膨らみ、思考の各部屋は辛うじてバランスを保っているかに見える態である。下を覗いているのではない、上を望んで仰いでいるのである。
このバランスは物質界(物理)では図れず、精神界(心)の中でのみ成立するもので、わたくしの心を遠くから眺め渡したものである。(地平線と建屋の角度を測るとわたくしの立地点が分かるはずであるが、その距離が計りえないところにわたくしの浮遊状態が隠れている)つまりわたくしとこの建屋(精神界)とは距離があり、わたくしがわたくしの心を客観視したならばという不確定な図である。
『心のまなざし』、どこまでも高きを望み、どこまでも不安定であり掴みどころない。しかし、わたしの心は、確かに燃えている。煙突から出ている赤い炎、いかにも小さいが確かに全身をもって燃えている精神の灯である。
写真は『マグリット』展・図録より