『呪い』

 空の景である。
 雲が浮かんでいるが、特別異様というのでもない普通の青空である。それがなぜ『呪い』なのか。

 呪い、たたり、災い・・・受動。
 呪い言葉、悪口、悪態をつく・・・自動。

 わたくしと空の関係。空の自然に悪意は皆無であり、物理的に『呪い』の感情は存在しない。

 例えば疫病が流行る。窮地の根源や対象を図りかね、呪うという現象に到ることはママある。
 しかし、呪うという現象は総体的に起こるものではなく、個人的なものである。そして、決して形にはなり得ず、生じたかと思うと霧散し忘れている。忘れたかと思うと、生じる。

 まったくもって『呪い』とは、掴みどころのない浮雲みたいな、浮雲そっくりな現象である。

 写真は『マグリット』展・図録より