「さあ、おまへたちはぼくについておいで。夜があけたから、あの子どもをおこさなけあいけない。」
雪童子は走って、あの昨日の埋まつてゐるとこへ行きました。
二疋の雪狼・・・雪狼のうしろから(略)雪童子がゆつくり歩いて来ました。
雪狼どもは、ずうつと遠くで・・・雪童子がはねあがるやうにして叱りましたら、いままで雪にくつきり落ちてゐた雪童子の影法師は、ぎらつと白いひかりに変り、狼どもは耳をたてて一さんに戻つてきました。
雪童子は風のやうに象の丘に登りました。・・・一疋の雪狼は、主人の小さな歯のちらつと光るのを見るや、ごむまりのやうにいきなり木にはねあがつて・・・。
雪狼の影法師は、大きく長く丘の雪に落ち、枝は雪童子の足もとに落ちました。
とにかく雪童子や雪狼は変幻自在、ゆっくり歩いたり、跳ね上がったり。影法師は白い光にもなる。
眼は、鋭く燃えるようにも、瞳はちょっとおかしく燃えるようにも・・・。
白い雪に対して、(燃える)(光る)(青い焔)(赤い実)・・・雪婆んごの(ぎらぎら光る黄金の眼)(赤い毛布)・・・彩色というより光彩の景の幻想。
『水仙月の四日』の攻防、死への誘い、冥府への迎合、青(ショウと読んで照/あまねく光が当たる=平等)の基盤。
雪童子は、昨日の子供の埋まっているところへ行く。
はたして、雪にうずもれた子供の生死は・・・。