峠の雪の中に、赤い毛布をかぶつたさつきの子が、風にかこまれて、もう足を雪から抜けなくなつてよろよろ倒れ、雪に手をついて、起きあがらうとして泣いてゐたのです。

 峠は、現世と来世の境目(境界)。
 赤い毛布は、赤はシャクと読んで釈(意味を解き明かす、事情を説明する)毛布はモウ・フと読んで、亡、訃。
 倒れはトウと読んで、禱。
 起きあがる(起上)はキ・ショウと読んで、鬼、生。
 泣くはキュウと読んで、救。
☆生死の境界で死の知らせを受けた子(死者)が、風(教え)をうけて、もう悪いことを死界に取られ、すがるように禱(祈り)、鬼(死者)に生まれ変わろうとすることに救いを求めていたのです。