不条理かもしれない、しかし条理であるという信念が感じられる。
 裸身の男女数名の視線は必ずしも一つを見ておらず、ただ佇んでいる。

 奇妙といえば奇妙な光景である、行動を起こすというのでもなく、自分の中に閉じている風で、それぞれの人とのかかわりを感じさせない。
 孤立、独身者?
 人は二人で世界を展く。独身者と言い切る孤立は関係性を断ち切っている。

 手前の『大ガラス』の作品群、着地なく浮遊の不安定さ、この落ち着きのなさは《生きて在る根本的な不安》に似ている。
 存在とは元来孤立しており、時間とともに移り変わる《現象》に過ぎないのかもしれない。
 静かなる告発である。哀愁、信念・・・いえ、強い主張である。


 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより