
『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス)』
タイトル自体がすでに分解され破壊している、ある意味暴力的なタイトルである。
彼女の独身者の意味がすでに不明である。不明な者たちによって裸にされたことの因果が不明である。花嫁という美称も一時的な仮象に過ぎない。しかも《さえも》ときたら、笑うしかない混乱、迷路、近づき得ない不在のるつぼである。
目的、対象の不明確さ、見えるようで決して見えない、有るけど無い、決して有り得ないのに秘密裏に存在する集合体。地に着くことがない不思議な浮遊、非生産的な不敵な笑い・・・。
正当性とは何か問いかけている。デュシャンは鑑賞者に難問を吹きかけ、自らも煩悶している。
写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより