『水仙月の四日』

 ひとりの赤い毛布にくるまった子供が雪のなかを歩き、やがて激しい風に倒れてしまう。
 この雪丘での雪婆んご、雪狼、雪童子の活躍。
 子供は果たして無事だったのか、お父さんらしき毛皮の人が一生懸命走ってくるというお話。

 救済とは、生死を別ける壮絶な秘話。賢治は雪に埋もれた子供が生きているとも死んだとも書いていません。
 ただ『水仙月の四日』とは、水仙が咲くころ(晩冬~初春)の四日の月は地表に対して垂直に立つのでちょうど舟の形になる。(二十六日の反対)
 その舟に阿弥陀仏が観音菩薩と勢至菩薩をひきつれて光の中に現れ、死人をやさしく迎えるという話が二重になって潜んでいるのではないかと思います。