このミニチュアの窓、1.9×45.1×10.2㎝(1.9は誤植か)45.1の高さを考えてもかなり小さな窓。しかも、なめし皮が貼られ、中は不可視状態。意味がないと言えばそれまでだが、決して中を見せられない、覗くことを禁止された窓である。

 存在と非存在を隔てた窓である。
 この窓の向こうには、あるいは手前には《フレッシュ・ウィドウ》がいる。瞬時の未亡人、伴侶(夫)の死による《フレッシュ・ウィドウ》である。
 悲しみは微塵もなく、死の重要性は語られない。喪中に《フレッシュ》という冠をつける不自然、逆行。

 伴侶(夫)は死んだが、フレッシュ・ウィドウとして生きている!
 つまり、男の死は未亡人を誕生させたという二人の人物によるものでなく、一人の人物による表裏なのである。

 わたくしの中の男は死んで、新しく女として生まれ変わったという性の転換を意味しているのだと思う。

 写真は『DUCHAMP』 www.taschen.comより