『泉』、小便器、明らかに男性使用の器具に違いない。男であることの証明、男性しか使用できない物である。
 装身具、寝食…等しく与えられている。能力においては不確定であり、特に身体能力に差異があることは知られているが、例外はある。
 しかし、この小便器に限り男女の差を超える例外はない。

 小便器(絶対)の前で、ため息をつく。宿命、すでに差異あるものとしての男と女ではないか。
 しかし、見えない壁に目を凝らす。
『泉』(小便器)の物理的境界は否定しようがない。しかし、見えない壁(心理)に於いての複雑な感情、それぞれ抱く主張は並べて二つ(男・女)に区切られるものではないと。

『泉』の前で深く考え込む者は少数派かもしれないが、確実にこの問題に同意する者があることを人間世界に問う作品提示である。