ダンサーになろうか凍夜の駅間歩く
ダンサー、戦後の米兵相手のダンサーである。肩を出したドレス、真っ赤な口紅、ハイヒール。つい昨日まで敵国として排除していたそれら装いの奇異を身につけることへの偏見。
凍り付いているのは夜の寒さだけではない、わたしの心も底冷えの冷風にさらされている。敗戦国日本の虚しさを米兵相手にぶちかましてやろうか。いえ、強国アメリカへの憧れがないとは言えない、勝利への反感。
米兵の明日をも知れない命の華やぎ、彼らの戦場(朝鮮戦争)へ行く前夜を特と見つめてみたい。この下心・・・、こちらは心も財布も素寒貧である。
(ダンサーになろうか)、凍夜の駅間を一足一足迷いながら歩いている。