蟻の体にジュッと当てたる煙草の火

 地を忙しく這いまわる蟻を俯瞰した時の己の巨大、力の大いなる差異に邪悪な満足感が過る。

 たかが蟻一匹の命、絶命したところで世界は変わらない、不明な心の揺らぎ。
 蟻の体にジュッと当てたる煙草の火…残酷、惨劇、蟻の哀れ。
《あなた(蟻)よりワタシは強い》不遜な嗤い。《あなた(蟻)はワタシ》、胸の中で交錯する自虐と悔恨。乾いた涙は煙と化す。