『城』3655。「どこへ 行きなさるのかね。どこへいらっしゃるのかね」と、すでにドアが閉まってからも、まだゲルステッカーの叫ぶ声が聞こえていた。その声にため息と咳がまじって、耳ざわりだった。☆「どこへ行くの、どこへ行くの?」 すでにドアが閉じられてからも、まだゲルステッカーの叫ぶ声がした。その言葉には悲しみと早急さがまじるとともに、不快さがないことに気づいた。